Emotion Wave Tech Blog

福岡にあるエモーションウェーブ株式会社のエンジニアが書いています。

VirtualBoxでWindowsの仮想環境を作ろう

いろんなプロジェクトやってると動作検証用PC確保が問題となります。 自分のマシンで動作検証といっても既に色々なソフトをインストールしているので本来検証したい環境にするのは大変です。

プロジェクトに特化したOSがあるといいですよね!仮想マシン使えばそれが出来ます!

vagrantという環境をサクッと作れるツールも存在しますが、まだWindowsクライアント用のboxは無いみたいです(この記事執筆時点)。

ここではWindows7 64bitのマシンにVirtualBoxをインストールしてWindows7 64bitの仮想マシンを立ち上げてみましょう。

事前準備 64bitOSの仮想マシンを使用するにはBIOSの設定が必要です。 PCのBIOS画面で仮想化支援機構(VT-x/AMD-V)を有効にしてください。 BIOS画面の立ち上げ方や仮想化支援機構の設定箇所はメーカーや機種によって異なるので手助けできません。マニュアル見るかググってください。 そもそも仮想化支援機構に対応していない場合は別のマシンにするか32bitOSをインストールしましょう。以降64bitは32bitと読み替えてください。

マシンのCPUが仮想化支援機構に対応しているかは下記ページを見てみてください。 http://ark.intel.com/ja/Products/VirtualizationTechnology

1.MicroSoftWindows7や8の試用版を用意してくれています。Windows7試用版のDVDイメージファイルをダウンロードしましょう。   http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/dn407368   ※MicroSoftのアカウントが必要です。 私がダウンロードしたWindos7 64bitのファイル名は   7600.16385.090713-1255_x64fre_enterprise_ja-jp_EVAL_Eval_Enterprise-GRMCENXEVAL_JA_DVD.isoです(長っ!)。

2.VirtualBoxをダウンロードしてインストールします。「Windows (32-bit/64-bit)」を選んでインストールしましょう。 http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/virtualbox/downloads/index.html?ssSourceSiteId=otnjp#vbox

最初のまとめ

  • BIOS画面から仮想化支援機構(VT-x/AMD-V)を有効にしよう。
  • VirtualBoxをインストールしよう。
  • MicroSoftから試用版WindowsのDVDイメージをダウンロードしよう。

ではVirtualBoxを起動して始めましょう。

3.VirtualBox仮想マシン作成をクリックします。

4.仮想マシン名をつけましょう。バージョンはWindows64bitにします。 ここで64bitが選択できないあなた。事前準備の仮想化支援機構が有効になっていないです。
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5.メモリは2GBあてましょう。最初はよくわからずに512MBのまま続けちゃってOSインストールで落ちてしまいました。 OSの最低動作要件は確保しましょう。
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6.仮想マシンはOSまるまるひとつのファイルとなります。その形式を選びます。通常はそのままで良いでしょう。 ハードディスクサイズは後から増やすの面倒くさいらしいのでやや余裕を持った容量にしましょう。100GBとか。 実際のファイルサイズはそれより小さいので心配しなくてよいです。
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7.作成した仮想マシンを右クリックして「設定」を選択します。ここでメモリ割り当てとかネットワーク設定とかできるんですね。 まずOSをインストールしないといけないので「ストレージ」を選択し7600.16385.0907……_DVD.isoを選択します。
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8.仮想マシンを起動するとDVDイメージが読み込まれてOSインストールが始まります。なんかパソコン上でOSインストールって変な感じ。後は画面の指示に従ってインストールしてください。

9.OSのインストールが終わりましたが…、解像度がフルにならないです。そのままだと最も貧弱な状態のディスプレイになります。 ゲストOSにVBoxGuestAdditionsをインストールすると解消されます。ストレージにVBoxGuestAdditions.isoをマウントしましょう。ファイルは以下にあります。 C:\Program Files\Oracle\VirtualBox\VBoxGuestAdditions.iso
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10.VBoxWindowsAdditionsインストールはゲストOS上で行います。ゲストOSのエクスプローラーを使ってVBoxWindowsAdditions.exeを立ち上げましょう。あとはそのままインストールしましょう。 ゲストOSでもめでたく高解像度が使えるようになります。VBoxGuestAdditionsについてはこちらのサイトを参考にさせていただきました。http://exlight.net/linux/vbox_guest_additions/index.html

仮想マシンのDVDドライブにVBoxGuestAdditionsが出てきます。右クリックで「開く」
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VBoxWindowsAdditionsをダブルクリックしてインストールしましょう。
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そのまま「Next」で進めましょう。
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11.これで画面の解像度もマトモになりました!インストール直後はサービスパックも当たっていませんのでWindowsUpdateの嵐です。なんだかんだで半日近く要しました_| ̄|○。予めサービスパックをダウンロードしとけばよかったと後悔。いやそれよりもサービスパック適用済みのISOファイルを用意してくれ、Microsoftよ。

12.バックアップ&他のマシンで使えるようにクローンをとりましょう。クローンしたVHDファイルであれば他のPCのVirtualBoxでも使用できます。
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13.最初の10日は認証無しで使用できます。その後認証を求められますが認証した時点で90日間試用版として使用できます。試用版といっても機能は特に制限されていないようです。

認証してから90日っていうのがポイント。環境作ってしばらくほっておいても未認証であればそこから90日使えるんですね。 認証の猶予期間である10日間のうちに全力で必要な検証環境を用意しましょう。その状態でクローンを取っておけばいつでも同一環境で90日間利用できますよ。

14.その他もろもろ
設定画面のネットワークは「NAT」だと同一LAN内にはアクセスできませんがインターネットにはつながります。 よくわからなければ「ブリッジ アダプター」を奨めます。同一LAN内に独立した1台のPCとして存在するようになってファイルの共有とかネットワークプリンターへのアクセスとか通常のPCのように使えます。
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VirtualBoxの弱点なのですが、Windows同士ではホストOSゲストOS間でクリップボードが使用できません。ファイルを仮想マシンにコピーしたいときとか文字列コピペができないので非常に不便です。 その対策としてリモートデスクトップでの操作をおすすめします。仮想マシンリモートデスクトップを有効にしておけば、リモートデスクトップ経由でクリップボードが利用できますので便利ですよ。

設定画面ではCPUのプロセッサー数や占有率を変更できます。あえて低スペック状態でレスポンス検証したりできます。

VirtualBoxではスナップショットという機能があり、その時点のバックアップをとれます。このソフトを試しにインストールしてみようかな?と思った時は仮想マシンで実験してダメならすぐ戻せます。

ホストOS+ゲストOSでメモリ食うんで最低6GB積んだパソコンでやったほうがいいよ。

...実は90日試用版を延長する方法もあります。これはググってね。

まとめ

  • VirtualBoxでPC上に別のWindowsを立ち上げることができる。
  • OSはMicrosoftからダウンロードできる。
  • 最初の10日間は猶予期間。認証した時点から90日間使用できる。
  • クローン作っておけばその時点の環境をすぐに再構築できる。